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迫られる介護報酬改定への対応と深刻な人材不足
~約半数の介護事業者が経営の先行きの厳しさを予想~
※2024年08月14日時点の調査結果

介護施設の経営に携わっている経営者・役員・介護スタッフ104名を対象に、2024年「介護報酬改定」に関する意識調査を実施しました。
約半数が、介護業界の先行きについて「厳しくなる」と予想しており、介護事業経営の課題としては、「人材採用」(61.5%)、「人材の定着」(58.7%)などが挙げられました。また、令和6年度介護報酬改定への対策については、30.7%が「既に対策をしている」、37.5%が「今後対策をする」と回答しており、具体的な対策としては、「移動時間の取扱いの明確化」が62.0%で最多となっています。さらに、71.1%が、「介護人材不足」への対応を進めており、今後の存続・成長のために必要な対策については、60.6%が「人件費の適正化」と回答しました。
最後に、54.8%が、「身の周りにM&Aを経験した介護事業者の経営者がいる」と回答しており、80.8%が、将来の経営の選択肢として、M&Aを検討していることが分かりました。
■調査概要
- 《業界別調査》
- 調査名称:2024年「介護報酬改定」に関する意識調査
- 調査方法: IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®」の企画によるインターネット調査
- 調査期間: 2024年6月26日~同年6月27日
- 有効回答: 介護施設の経営に携わっている経営者・役員・介護スタッフ104名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
■利用条件
- 1.情報の出典元として「M&Aキャピタルパートナーズ株式会社」の名前を明記してください。
- 2.ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://www.ma-cp.com/
目次
- 介護業界の先行きについて、どのように感じていますか。
- Q1で選択肢を選んだ理由について、具体的な理由を教えてください。
- 介護事業の経営において、現在課題に感じることを教えてください。
- 今回の令和6年度介護報酬改定に対し対策を行いますか。
- 既に実行した、または想定される対策を教えてください。
- 「介護人材不足」への対応を進めていますか。
- 介護人材不足に対してどのようなアプローチをしていますか。
- 今後存続・成長していくためにどのような対策をしていくべきだと思いますか。
- ご自身の周りでM&A介護事業者でM&Aによる他社とのパートナーシップを結んだ経営者はいますか。
- 他社とのパートナーシップ(M&A)による成長戦略は、将来の経営の選択肢になりますか。
- まとめ
Q1介護業界の先行きについて、どのように感じていますか。
介護業界の先行きについて、約半数が「厳しくなる」と予想
「Q1.介護業界の先行きについて、どのように感じていますか。」(n=104)と質問したところ、「厳しくなる」が46.2%という回答となりました。

Q2Q1で選択肢を選んだ理由について、具体的な理由を教えてください。
「需要は増えると思うが供給も増えると思う」「職場環境が改善されず仕事が増える」などの理由も
「Q1で選択肢を選んだ理由について、具体的な理由を教えてください。(自由回答)」(n=104)と質問したところ、「需要は増えると思うが供給も増えると思う」や「職場環境が改善されないまま仕事が増える」など76の回答を得ることができました。

Q3介護事業の経営において、現在課題に感じることを教えてください。
介護事業経営における課題、第1位「人材採用」、第2位「人材の定着」
「Q3.介護事業の経営において、現在課題に感じることを教えてください。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「人材採用」が61.5%、「人材の定着」が58.7%、「介護報酬改定」が50.0%という回答となりました。

Q4今回の令和6年度介護報酬改定に対し対策を行いますか。
令和6年度介護報酬改定に対して、30.7%が「すでに対策をしている」、37.5%が「今後対策をする」と回答
「Q4.今回の令和6年度介護報酬改定に対し対策を行いますか。」(n=104)と質問したところ、「すでに対策をしている」が30.7%、「今後対策をする」が37.5%という回答となりました。

Q5既に実行した、または想定される対策を教えてください。
介護報酬改定への対策、「移動時間の取扱いの明確化」が62.0%で最多
Q4で「既に対策をしている」「今後対策をする」と回答した方に、「Q5.すでに実行した、または想定される対策を教えてください。(複数回答)」(n=71)と質問したところ、「移動時間の取扱いの明確化」が62.0%、「職員の処遇の見直し」が45.1%、「訪問介護への対応強化」が43.7%という回答となりました。

Q6「介護人材不足」への対応を進めていますか。
71.1%が、「介護人材不足」への対応を「進めている」と回答
「Q6.「介護人材不足」への対応を進めていますか。」(n=104)と質問したところ、「既に進めている」が23.0%、「一部進めている」が48.1%という回答となりました。

Q7介護人材不足に対してどのようなアプローチをしていますか。
介護人材不足に対して、43.2%が「IT・システムの導入」のアプローチ
Q6で「既に進めている」「一部進めている」と回答した方に、「Q7.介護人材不足に対してどのようなアプローチをしていますか。(複数回答)」(n=74)と質問したところ、「IT・システムの導入」が43.2%、「外国人介護人材の受け入れ」が40.5%、「職員の処遇改善」が40.5%という回答となりました。

Q8今後存続・成長していくためにどのような対策をしていくべきだと思いますか。
今後存続・成長していくために必要な対策、「人件費の適正化」が60.6%で最多
「Q8.あなたは、今後存続・成長していくためにどのような対策をしていくべきだと思いますか。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「人件費の適正化」が60.6%、「ICT(情報通信技術)の活用」が39.4%、「採用活動の強化」が38.5%という回答となりました。

Q9ご自身の周りでM&A介護事業者でM&Aによる他社とのパートナーシップを結んだ経営者はいますか。
54.8%から、「身の周りにM&Aを経験した介護事業者の経営者がいる」の声
「Q9.ご自身の周りでM&A介護事業者でM&Aによる他社とのパートナーシップを結んだ経営者はいますか。」(n=104)と質問したところ、「はい」が54.8%、「いいえ」が45.2%という回答となりました。

Q10他社とのパートナーシップ(M&A)による成長戦略は、将来の経営の選択肢になりますか。
80.8%が、将来の経営の選択肢として、M&Aを検討
「Q10.他社とのパートナーシップ(M&A)による成長戦略は、将来の経営の選択肢になりますか。」(n=104)と質問したところ、「選択肢として検討している」が36.6%、「今後検討してみたい」が44.2%という回答となりました。

まとめ
■弊社アドバイザーからのコメント
今回の調査では、介護業界全体が持つ不安や課題が明らかになりました。2024年の「報酬改定」は、医療、介護、障害福祉サービスのトリプル改定となり、6年に一度の大規模な改定としても注目されています。約半数の46.2%が業界の先行きについて厳しくなるとし、様々な厳しい意見が聞かれましたが、その背景には、報酬改定ごとに利益率が悪くなっていくことへの漠然とした不安感があるようです。
また、深刻な人材不足の問題を抱える一方で、人材確保のための賃金上昇が思うように進まない実態も浮き彫りになっています。人手不足へのアプローチとして「IT・システムの導入」や「職員の処遇改善」が4割超となりました。
「報酬改定」や「人手不足」などの対策には、大規模な投資や盤石な経営基盤が必要となる施策が多いため、中小企業が独力で対応するのは難しい場合が多いのが現状です。そういった経営課題の対策を推進する経営戦略として、M&Aは有効な選択肢の一つです。M&Aによってより大きな企業のグループに入り、大手企業のリソースを活用したITへの投資やそのブランド力を活用した採用力強化、人材の融通などによる人手不足の改善など、経営課題に対するソリューションが推進しやすくなる可能性があります。今回の調査でも、「周囲にM&Aによる他社とのパートナーシップを結んだ経営者がいる」との回答が54.8%、「他社とのパートナーシップ(M&A)を検討している、検討したい」との回答が8割超となっており、介護事業者にとってM&Aが一般的になりつつなることが伺えます。是非、様々な経営課題に悩まれている経営者の皆様には、課題解決策の選択肢の一つとして、M&Aの情報収集から始めてみていただければと考えています。
M&Aキャピタルパートナーズは、豊富な経験と実績を持つM&Aアドバイザーとして、お客様の期待する解決・利益の実現のために日々取り組んでおります。
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