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建設業経営者の7割以上が人手不足を実感
―「2024」年問題の対応に関する調査と今後の見通し―
※2025年12月16日時点の調査結果
今回は、建設業の経営者110名を対象に、2024年問題の対応に関する調査と今後の見通しに関する実態調査を実施しました。
まず、人手不足を感じている経営者は72.7%に上り、そのうち「非常に感じる」が30.0%で前回の調査時より19ポイント減少したものの、全体的に人手不足はあまり改善されていないことが明らかになりました。また、人手不足への対応で講じている待遇や環境の改善施策について尋ねたところ、「基本給の引き上げ」が53.8%と最も多く、次いで「福利厚生の充実」が28.7%という結果となりました。
そして、2024年問題の対策状況について尋ねたところ、「対策できていない」が32.0%となりました。未対応の理由について「人員確保が難しいから」と答えた経営者が44.4%と最も多く、「取引先との工期調整が難しいから」が25.0%で続きました。
今後3〜5年先の競争環境について、56.4%の経営者が「さらに厳しくなる」と予測しており、その理由として「人手不足がさらに深刻化するから」が80.6%で最多になるなど、ここでも人手不足の深刻化が見られました。さらに、74.6%が経営課題に対して自社単独での解決は難しいと感じていることも分かりました。
■調査概要
- 《業界別調査》
- 調査名称:【2025年版】建設業の2024年問題の対応に関する実態調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2025年11月11日〜同年11月12日
- 有効回答:建設業の経営者110名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
■利用条件
- 1.情報の出典元として「M&Aキャピタルパートナーズ株式会社」の名前を明記してください。
- 2.ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://www.ma-cp.com/
目次
- ご自身が経営する会社では、「人手不足」を感じていますか。
- 人手不足への対応として、どのような待遇・環境改善施策を実施していますか。(複数回答)
- 2024年4月より適用された時間外労働の上限規制による「2024年問題」に対する対策状況について教えてください。
- 「2024年問題」により、従業員の働き方にどのような変化がありましたか。
- 2024年問題への対応として、実施している施策を教えてください。(複数回答)
- 2024年問題に対する対策ができていない理由を教えてください。(複数回答)
- 今後3~5年先の建設業界の競争環境の見通しに対してどのように感じていますか。
- そのように考える理由を教えてください。(複数回答)
- 「2024年問題」や資材価格高騰などの経営課題に対して、自社単独での解決は難しいと思いますか。
- 今後、特に強化していきたい項目を教えてください。(複数回答)
- まとめ
Q1ご自身が経営する会社では、「人手不足」を感じていますか。
「非常に感じる」が30.0%、「やや感じる」が42.7%という回答となりました。

Q2人手不足への対応として、どのような待遇・環境改善施策を実施していますか。(複数回答)
「基本給の引き上げ」が53.8%、「福利厚生の充実」が28.7%、「働き方改革の推進」が25.0%という回答となりました。

Q32024年4月より適用された時間外労働の上限規制による「2024年問題」に対する対策状況について教えてください。
「対策できている」が52.8%、「対策できていない」が32.7%という回答となりました。

Q4「2024年問題」により、従業員の働き方にどのような変化がありましたか。
「工期や納期の調整が困難になった」が20.0%、「一人当たりの業務負担が増加した」が8.2%という回答となりました。

Q52024年問題への対応として、実施している施策を教えてください。(複数回答)
「残業時間の削減」が46.6%、「給与・手当の見直し」が43.1%、「休暇取得の積極的な推進」が34.5%という回答となりました。

Q62024年問題に対する対策ができていない理由を教えてください。(複数回答)
「人員確保が難しいから」が44.4%、「取引先との工期調整が困難だから」が25.0%、「人件費増加による収益悪化が懸念されるから」が11.1%という回答となりました。

Q7今後3~5年先の建設業界の競争環境の見通しに対してどのように感じていますか。
「さらに厳しくなる」が56.4%、「横ばい・現状維持」が39.1%という回答となりました。

Q8そのように考える理由を教えてください。(複数回答)
「人手不足がさらに深刻化するから」が80.6%、「資材価格の高騰が続くから」が59.7%、「労務費が上昇するから」が54.8%という回答となりました。

Q9「2024年問題」や資材価格高騰などの経営課題に対して、自社単独での解決は難しいと思いますか。
「非常にそう思う」が39.1%、「ややそう思う」が35.5%という回答となりました。

Q10今後、特に強化していきたい項目を教えてください。(複数回答)
「人材採用の強化」が35.5%、「従業員の待遇改善(賃金・労働時間是正)」が32.7%、「受注活動の強化」が27.3%という回答となりました。

まとめ
- ― 人手不足を実感する建設業経営者は72.7%、昨年より5.3ポイント改善するも深刻さは変わらず
- ― 「2024年問題」に未対応の企業は3割超、対応済みの企業が最も影響を受けているのは「工期管理の困難化」
- ― 競争環境は「さらに厳しくなる」と予測する経営者は約6割、最大の理由は「人手不足の深刻化」が8割超
- ― 「自社の経営課題を単独で解決するのは困難」と回答した経営者は74.6%
■弊社アドバイザーからのコメント
建設業界は今、大きな転換期を迎えています。公共投資の拡大や防災・減災対策などにより市場規模は拡大する一方で、現場では深刻な人手不足と高齢化、時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」への対応など構造的課題が顕在化しています。
今回の調査でも、経営者の72.7%が人手不足を実感しており、時間外労働の上限規制が適用されてから1年半以上を経た今でも人手不足が建設業界の深刻な課題の一つであることを示しています。しかし、2024年問題への対応では「未対応」が32.7%に上り、未対応の最大の理由は「人員確保の難しさ」(44.4%)となりました。さらに、工期や納期調整の困難化、一人あたりの業務負担増加など現場への影響も顕著で、経営者の6割以上が「自社単独での人手不足の解決は困難」と回答しています。今後3~5年の競争環境についても、約6割が「さらに厳しくなる」と予測し、その理由の8割以上が「人手不足の深刻化」です。
こうした状況を背景に、建設業界では2025年のM&A件数は過去最多と同様の高い水準で推移しており、再編が急速に進行しています。その背景には、後継者不在、人材の確保や採用、建築資材の高騰など、経営課題解決の選択肢の一つとしてM&Aの認知が高まってきていることがあります。特に、人材不足への対応策として「人材ごと企業を買収する」動きが注目され、地域密着型企業は施工力やネットワークを評価され、ゼネコンやファンドから譲受の対象となるケースが増えています。さらに、新築需要が減少する中、公共投資の増加やメンテナンス需要への対応など新分野への対応が求められ、技術力やノウハウを持つ企業を取り込むM&Aも加速しているのです。
近年、「事業承継」だけでなく「成長戦略」を目的としたM&Aニーズが高まっており、若い経営者が将来の体制強化を目的にグループ入りする事例も増加。M&A後も経営者や従業員が残り、親会社と並走しながら後継者育成を進めるとともに成長を加速させるM&Aが一般的になっています。
本調査でも74.6%が経営課題に対して自社単独での解決は難しいと回答しているように、人手不足だけでなく、建築資材の高騰、建設需要の変化への対応など、様々な経営課題に対して中堅・中小企業が独力で対応するには限界があります。より大きな企業やファンドなどのグループに参画するM&Aは、事業の永続性と競争力を確保するための有力な選択肢です。経営課題が複雑化する中、まずはM&Aに関する情報収集を始め、その選択肢を知ることがとても重要です。
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